[550] 点火時期マップ解説

点火時期MAPの各領域がどのように使われているのかを解説します。
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①エンジンブレーキ
この領域は、減速時に使われます。インジェクションと違ってキャブレターは減速時も燃料を供給しているので、点火するわけですが、正直、この領域のセッティングはどうすべきなのか、分かりません。まあ、バックファイヤやアフターファイヤが起きていなければOKなんじゃないかと思って、適当です。私は、セッティングするときには、まず全体の点火時期を進めて、そこからノッキングしているところを下げていくという手法をとりますが、この部分は最初に全体を進めた時のままです。

②日常使う領域
大体、クルマが走行している時間の90%は、この領域にいると思います。したがって、ここは一番しっかりセッティングしておくべきところ。点火時期をデスビだけで調整している場合は、こういう複雑な面を作れないので、一番凹んでいるところに合わせるしかないわけです。なので、デスビの点火時期調整は、あまり真剣にやっても、ほとんど無駄です。

③始動領域
エンジンを始動するときには、この領域が使われます。セルモータに負担をかけないように、点火時期は遅めにします。今は10°にしてありますが、0°でも良いと思います。

④高負荷領域
ここの設定が悪いと、エンジンを壊す可能性が高いところですが、一方で公道走行時にこの領域を使うことは、まずありません。サーキットやドラッグ・ストリップじゃないと使わない領域なので、セッティングにはシャシーダイナモでも使わないと、難しいです。よって、ここは安全をみて適当に遅めにしてあります。レースに出たり、シャシーダイナモの数値を競うのでなければ、ここは遅めが吉です。

⑤高回転パーシャル領域
滅多に使いませんが、峠道などを飛ばすときには使うことがある領域です。次のコーナーの入り口まで、加速するわけでもなく、減速するわけでもなく、という中途半端なところですね。逆に、サーキットでこの領域を使っている人は、タイムを縮める余地があります。サーキットでは、アクセルが全開になっている時間の長い人が速いんです。中途半端に踏んでいる場合は、もっと踏め、ということです。