[Cadwell] 第三次 再起動試験

パンパンとアフターファイヤする原因。昨日は、燃調が薄すぎるのだと思っていましたが、調査すると、2番と3番がまったく仕事をしていないことが判明しました。昨日のBlogでは「多分、全気筒ちゃんと爆発している感じ」などと書いたのが恥ずかしい。

原因は点火順序が間違っていました。いや、より正確にはMOTECの設定を勘違いしていました。
MOTECの設定には”Firing Order”という項目があります。当然、この設定で点火順序が決まるのだと思うじゃないですか。ところが、実際は点火順はここの設定に関係なく、配線のIgn1, Ign2, Ign3の順になります。
私は、点火順は”Firing Order”の設定で決まるのだと思っていたので、MOTECの配線はIgn1, 2, 3をそれぞれ1番、2番、3番の気筒に接続していました。K6Aエンジンの点火順は1-3-2です。この接続だと1-2-3の順で点火してしまうので、2番と3番はまったくタイミングが合っていないことになります。
じゃあ、先の”Firing Order”の設定は何をしているのかというと、ただ単に表示のラベルを書き換えているだけでした。ここの設定をすると、
Ign1 = Cylinder1
Ign2 = Cylinder3
Ign3 = Cylinder2
という表示になるだけ。これを理解するために、とても時間を使ってしまいました。MOTECの説明って、本当に分かりにくいです。
161023-10

で、とりあえず、エンジン側で点火順序だけ正しくなるように入れ替えてみたのがこれ。

とても普通に回っています。

スロットル全閉(動画の左側の列、上から3番目がスロットル開度)なのに、アイドリング回転数が2500rpm以上になっています。これはISC(多分、Idle Speed Controlの略かな)のバイパス・バルブが開きっぱなしになっているからです。きっと、断線などで制御信号が何も来ていないときは、オープンになる仕様なのだと思います。アイドリングは高くなりますが、一応走れるから。
下の写真でスロットル・バタフライの手前、右下に穴がありますが、これがバイパス。この穴とサージタンクの間の経路をバルブで調整することで、アイドル・スピードをコントロールします。
161023-11

このエンジンのISCは、意外と高度なやつです。PWMでバルブを高速に開閉して調整するものではなくて、ステッピング・モータでバルブの開度をアナログ的に変化させているようです。整備解説書を見ても、その辺の説明は詳しくありません。どのような制御信号を与えればよいのか、わからなかったので、今は何も繋いでいませんでした。
単純に電圧を与えれば、バルブが閉じるというものではなさそうなので、構造を知るためにバラしてみました。ちなみに、整備解説書には「分解するな」と書いてあります。

これが、スロットル・ボディ側。バイパスの穴が見えます。
161023-12

こっちが、取り外したバルブ。
161023-13
このプランジャが根本に付いているステッピングモータによって伸びたり縮んだりすることで、バイパス穴の開き加減を調整しているのだと思います。このプランジャが伸びっぱなしになっていれば、バイパスを閉じたことになるのですが、手で押したり引いたりして動くものではありませんでした。おそらく、ウォームギア的なもので構成されているのだと思います。

さて、バイパスの穴をふさがなければならないのですが、どうしたものか。