BLACK BOX

うちのチームのK4-GP用のビートには、燃料消費量などを知るためのテレメトリ・システムが装備されています。これをいつも現場でガムテとダンプラで固定していて、走行中にずれたりしていたので、きちんとケースに収めることにしました。

命名”BLACK BOX”。
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いわゆるタッパーです。実はタッパーとは登録商標なので、これは正しくはタッパーではありませんが、日本ではこういうプラスチック容器の名称は「タッパー」で一般化されています。
40代以上の人は、「タッパーと呼べるのはタッパーウェアだけ」というTVCMを覚えている事でしょう。
そのタッパーを遮光のために、内側をシャシーブラックで塗って黒くしました。だからBLACK BOX。

中身はこうなっています。
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早い話が、インジェクタのパルスを元に燃料消費量を表示するデバイスをwebカメラで見ているだけ。このwebカメラはRaspberry Piに接続されていて、そのRaspberry PiがWIMAX端末と通信。WIMAXからサーバーに動画が送られて、ピットはインターネットを経由してそのサーバーに接続して画像を見て燃料消費量をリアルタイムに知るという仕組みです。
シリアル通信で、データだけを直接サーバーに送るのがスマートだと思いますが、デバイスのデジタルデータを横取りしたり、数字データを見やすい形に表示しなおしたりなど、ハード/ソフト共に面倒な手間がかかるので、動画で送ってしまうという無駄に帯域を消費しつつのちから業ですが、これでも十分に機能しています。

表示はこんな感じ。
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これとは別に、コックピットを写しているカメラもあって、そこにはアクセル開度、ブレーキペダルの踏み込み量、選んでいるギア、回転数、空燃比、油温、水温を表示するデバイスも写りこんでいるし、もちろんドライバーの操作も見えるので、まあ大体プロフェッショナルなレーシングチームがピットで見ているテレメトリと同じような情報が得られます。仕組みはアナクロですが。
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ちなみに、ピットからテキストメッセージも送れて、コックピットにあるタブレットに表示されます。そのタブレットも画面内にあるので、メッセージがきちんと送られたことも確認できるし、ドライバーが手で合図することで、読んだこともわかるという優れもの。
さらにGPSでどこを走っているのかもわかります。

まあ、これがあるからレース成績が良いというわけではないのですが、10時間の長丁場でもピットは盛り上がります。