FUJI1000km K4-GP

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毎年恒例となっている、FUJI1000km耐久レースK4-GPに今年も参加しました。
今年はアメリカ出張が多くて、事前の準備をほとんど手伝えなかっただけでなく、アメリカからの帰国がレースの前日というスケジュールだったため、体調などを考慮して、監督業に専念することにしました。一応、ドライバー登録だけはしておきましたが、結局走りはしませんでした。

 

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スタート前の光景。
よく見ると、変な格好をした人たちがたくさんいますが、これがK4-GP名物の仮装スターターです。変則ルマン式のスタートですが、スターターはサーキットに相応しくない仮装をしていなければいけないルールになっています。仮装も審査されてレースの結果と同様に1位から3位までが、レース終了後に表彰されます。

 

 

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参加台数は140台弱で、最盛期よりは僅かに減ったものの、コース上では2ワイド、3ワイドが当たり前の状態で走行します。

 

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今年の私は専業で監督です。そのため、ピットの一角でモニターとパソコンと時計をにらみ、燃料消費量、燃料補給のタイミング、ドライバー交代のタイミング、ペースの配分などを悩むのが仕事です。
特に今年は、より厳しい燃料制限と、ゴール方法の変更によって非常に燃料消費量に気を付けなければならなくなりました。しかし、逆にこのことが速さだけではない、耐久レースの作戦の重要性を増して面白くなってます。
割り当てられた燃料は80L、給油回数は最低4回。給油回数と、各回の給油量は前日の申告によって決定し、レース当日の変更はできません。これもK4-GPの特徴の一つです。
常々思っていたのですが、厳しい燃料制限が課せられた耐久レースではドライバーがタイムを数秒縮めるよりも、いかに効果的な作戦を立てて、その通りにドライバーが走り、状況の変化に応じて作戦を変更する柔軟さが重要です。今年は期せずして監督業に専念する機会を得たのですが、これが実に面白かったです。

前日の公式練習走行で計測したドライバーの力量と燃料消費量を元に、ホテルで深夜までかかって作戦を立てました。レース当日は、作戦計画に対して、数分の狂いでレースが進行し、我ながらたいしたものだと思っていたのですが。
意外にもレースが順調に進行して、フルコース・コーションが入ることもなく、またドライバーがとんどん調子を上げるなども重なって、ゴールまでに予想を大幅に上回る距離を走行することが明らかでした。このままレースが進行すると、ゴール時刻の1時間前、午後5時には燃料が尽きることが確実です。そのため、お昼すぎからドライバーには省燃費走行を指示。ドライバーはよく耐えてくれたと思います。燃料不足のためゴール時刻までピットでクルマを寝かせているチームもある中、うちのチームは止まることなく走り続けて、1L程度の残量まで追い込んでちゃんとチェッカーを受けることができました。
午前中には過去にないくらいの順位まで上がったのですが、結局午後の省燃費走行でかなり順位を落としてしまったのは残念です。しかし、ガス欠リタイヤや、ピットで寝かすことは避けられました。
今回、監督業に専念したおかげで、上位の有名チームのレース進行具合も観察できたのですが、さすがのレース進行でした。淡々と同じペースで走り続け、レース終盤に若干ペースを上げたものの、ほとんどムラのないペースでゴールしていました。来年は、これを見習った作戦にするつもりです。

 

 

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今年は、ドライバー交代時間の短縮も試みました。前日に、何度も練習して交代時間を縮めました。これも大きな成果でした。

 

 

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公式結果はまだ、発表されていませんが、ゴール時のモニター画面に表示された総合順位は去年よりも上位でしたので、クラス順位もそれなりに上がっていると思います。
今年のこの経験を活かして、来年はさらなる上位を狙える気がします。今から、楽しみです。