Mustang GT 5.0 週末インプレ その3 (最終回)

111010-1
その2からかなり時間が過ぎてしまい、忘れているんじゃなイカ?と心配のMustangファンの皆さん。安心してください。忘れているわけではありません。ALMSとか北海道旅行とかいろいろとイベント盛りだくさんだったので、なかなか書けませんでした。時間が経っていても、ちゃんと印象をメモしてあるので大丈夫です。
とは言え、あまり引っ張っても仕方ないので、今回が最終回。

一つ、エクステリアで書き忘れていたことがありました。それはターン・シグナル。ターンシグナルを出したときに、点滅の間隔がやたら遅いのです。そして、リレーの音もやけに頼りなさげ。そう、昔のアメリカ車は確かにこんな感じでした。だから、こういう部分でレトロ感を出したのかと思っていましたが、別のMustangの後ろについたときに、その理由が判明しました。なんと、昔懐かしいシーケンシャル・シグナルだったのです。いわゆる「流れるウィンカー」。テールランプの意匠の関係で、日本では絶滅してしまい、今では一部のトラックがドレスアップ目的で使用しているのを見るくらいです。Mustangの場合は、内側から外側に3つのテールランプを使って「流れ」を出していました。そのために、点滅間隔が遅かったのですね。
これは感激です。私にとっては、ポイント高いです。しかし私の記憶では、日本ではシーケンシャル・シグナルは法規で禁止されていたと思いますし、アンバー色のランプをターンシグナル用として別に用意しなければならない関係などで、日本仕様でも採用されているかどうか知りません。

 

このMustangの価格ですが、GT 5.0はベース価格が約3万ドル。USフォードのサイトで、今回のレンタカーの仕様に近づくようにオプションを選択しても、3万2千ドル程度です。$1=78円換算で、約250万円。驚くべき価格です。400馬力オーバーのカッコいいスポーツクーペが250万円で買えるのです。世界で一番安い400馬力オーバーのクルマではないでしょうか?円高分を差し引いて、仮に$1=100円だったとしても320万円ですよ。日本ではフェアレディZの一番安いモデルも買えません。

そして、このGT 5.0を山道で運転しているときに頭に浮かんだのは、
「これ、BMWのM3とタメを張れるんじゃ?」。
サイズも車重も、エンジン出力も、そしてボディタイプもほとんど同じ。
調べてみたら、Motor Trendが2011年モデルのMustang GTとBMW M3を比較していました。驚くべきことに、両車の性能はサーキットのラップタイムも含めて、まったく一緒です。

私は、これまでの記事でMustang GT 5.0をベタ褒めしていますが、それが正しかったことが証明された気分です。
ちなみに、BMW M3の価格は$58,900。$1=78円換算で約460万円。Mustang GTとは200万円の価格差があります。コストパフォーマンスは最高ですね。
日本では高性能車として認知されているM3と、まったく等しい性能でありながら、レンタカーなんです。素晴らしい。

性能が同じとなれば、あとはもう好みの問題。Mustang GTとBMW M3のどちらを選ぶかと聞かれたら、私は悩むことなくMustangです。だって、カッコいいもんね。

ここまで書いて、日本での価格はいくらなんだろうと思って調べてみたら、GTクーペが500万円。なんでそんなに高いのですか?日本仕様への変更やパーツの在庫・保守などでオーバヘッドがあることは理解するけれども、せっかくUSで安い価格で出しているクルマを、なんで2倍の価格にするの?そもそも、Mustangって、そんなクラスのクルマじゃないでしょう。昔はそれも通用したかもしれないけど、今の時代、Internetで簡単にUS本国の情報が手に入るわけだから、Mustangが高級スポーツクーペという扱いではないことは、簡単にわかるでしょ。もし、高級スポーツクーペとして売りたいつもりだとしたら、フォード・ジャパンに対しては、
「バッカじゃないの?」
と言いたいですね。