2013 K4-GP

毎年の恒例になっているK4-GP FUJI10時間耐久レースに出てきました。

今回、大忙しだったので、ほとんど写真を撮っておらず。そのうち、誰かが撮った写真をもらったら、改めて写真を載せます。
今日のところはとりあえず、手持ちの写真とビデオで。

早朝4:30のピットレーン。
このあと、5:00からリーダー・ミーティング。レースの朝は早いのです。
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同時刻のうちのピット。
チーム・メンバーの集合は6:00にしているので、まだ誰も来ていません。スタートは8:00です。
#127がうちのチームの車両で、前日に持ち込んで練習走行と整備を済ませてあります。練習走行では、クラッチが切れなくなるというトラブルが発生しましたが、クラッチラインにエアを噛んだのが原因で、エア抜きで復帰しました。練習走行はドライバーだけのものてはなく、車両のトラブル出しをするためにも重要です。
昨年のFUJI10時間で接触事故を起こして、フロント部分を交換したので、ボンネットが地味になっています。来年までにはもうちょっとレース車両っぽくしたいですね。
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昔、本業のレースメカニックの人から、
「速いチームはレース前日にほとんど作業をしない。」
というような事を聞きました。そういう点では、うちのチームは合格です。レース前日の予定外作業は前述のクラッチラインのエア抜きのみ。車検は免除されているので、給油登録をさっさと済ませて、帰っちゃいました。

K4-GPの大きな特徴で、お祭り気分を盛り上げる趣向として、スターターの仮装義務があります。変則ルマン式スタートをしますが、各チームのスターターは仮装していなければならないというルール。
例年では、これをやってくれる人がおらず、ドライバーの一人がピエロの格好で適当にお茶を濁していたのですが、今年はついに仮装要員が参加してくれました。初めてなので、既製のベジータのコスチュームですが(本人が選んできた)、来年は髪型から小物まで凝ってくれるそうです。
この写真は、ちょうどオフィシャルが審査用の写真を撮影しているところ。
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スタート。
ピットに配信されている、サーキット・カメラの映像をモニタ越に撮影しました。画面左下に、半分だけ#127が写っています。


レースは終盤まで順調。
しかし、チェッカーまで2時間を切った頃になって、燃料消費計の補正係数が間違っていたことが発覚しました。毎回、計算より1~2周ほどガス欠症状が出るのが早かったのですが、コレクター・タンクを装備していないため、残り少ない状態でコーナーリング中にタンクの燃料をすい出せないためだと決め付けていました。
K4-GPは燃料の総量か決められているので、それを考慮した走行ペースを考えなければならず、燃料消費量の正確な把握はとても重要なのです。

チェッカーまでは燃料が足らず、一時はピット内待機をする決心もしましたが、ドライバーの省燃費走行と、フルコースコーションが入ったおかげで、チェッカーまで燃料が持ちそうだという予想が立ちました。

最終ドライバーに交代し、チェッカーまでは省燃費走行となりました。
ビットはまったり感が漂っていました。ラップタイムの計測やサインボードの掲示もすでにやめており、ピットレーンのサインボードエリアから淡々と周回数を重ねるドライバーに手を振るだけという、耐久レース独特の終了間際の雰囲気を堪能していたとき、それが起こりました。
うちのチームはピットレーンに2台のモニターTVを持ち込んでいます。1台はサーキット側からリアルタイムに提供される全車のラップタイムの計測値を、もう1台は、各場所に設置されているサーキットカメラの映像を次々と切り替えながら映しているのですが。そのカメラの映像が、1瞬だけ#127の車両がコース外に出されているシーンが映った気がしました。すぐにカメラが切り替わってしまい、次にはもう見えなくなっていたので、見間違いかとも思ったのですが。同じピットを共有している隣のチームの人から、#127がコース上に止まっていると言われて。

クルマがオフィシャルに引かれてパドックに戻ってきたのが、チェッカーの15分前。ドライバーは、ギアが入らなくなったと言ったので、前日の経験からクラッチのエア噛みだと思いました。15分あればエア抜きしてコースに復帰できる、完走できると、踏んだのですが。
調べてみると、クラッチは切れる、ギアもちゃんと入る。でも、まるで駆動系とタイヤが完全に切り離されているような状態。片輪を手で回してみると、まるで何も抵抗感がなくするすると回り、しかも、もう片輪はまったく回らず。デフがまったく機能していない感じ。
チェッカーまであと1時間とかいう状況だったら、バラして原因を調べるという事もしますが、残り15分でこの症状では、もうどうしようもありません。まったくタイヤに駆動力が伝わらないので、コースに復帰させて徐行でチェッカーを受けることもできません。

この時点でリタイヤ確定です。チェッカーまであと15分でした。
参戦6年目にして初めてチェッカーを受けることができませんでした。しかも10時間のうちの9時間45分を走りきったところで走行不能。

これで今年のK4-GPは終わりです。
今年はパレードランに参加することもできませんでした。毎年、パレードランで、他のチームとお互いに健闘を称えつつ、御殿場市街の夜景を眺めつつ、夏が終わったことを噛みしめるのですが、それもできず、不完全燃焼です。

車両故障の原因は、まだ車両が手元に戻っていないのでわかりません。ですが、修理して来年も出ることだけは決まっています。

来年こそ。