GT40 その2

GTD40を購入するのは私ではないですが、もし私が買ったらどうするか?という事を考えるのはとても楽しい。これもクルマ趣味の楽しみ方の一つです。しかもGT40ではなく、GTD40というところが、自分にも実現可能な範疇にあって想像にも力が入ります。

GTD40はレプリカなので、レーシングカーのプラモデルを作るのと同じ感覚で、有名な実車に外観を近づけるという方向性は楽しいと思います。色々な資料を集め、カラーリングやステッカーのデザインと位置を調べ、ストライプを入れ、ステッカーを作り・・・
プラモデルの仕上げ工程を実車でやるわけです。

では、題材は何にするか。
GT40と言えば、真っ先に頭に浮かぶのは、先にも紹介したル・マンで優勝した#1075です。いわゆるガルフ・カラーと呼ばれる色。

しかし、これはGTD40のモチーフとしてはあまりにもベタ過ぎ。誰でも知っているので、本物ならともかくレプリカだと
「ああ、アレね。」
という感じで、話題性に乏しいと思われます。

そこで、いかにもマニアっぽい個体を探してみました。
#1049
私自身は、この個体を見たことがないので、インターネットで探し出した写真を拝借しています。
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濃いメタリックの微妙な感じのブルーにオレンジ色のライン。リアタイヤの後方に大きなサイドマーカーが特徴です。そしてもちろんMk.I
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1967年のデイトナ12時間でジャッキー・イクスとディック・トンプソンがドライブしてクラス優勝しています。
そして、面白いのはここからで。
このクルマのオーナーは、グレディー・デイビス。ガルフ・オイルのバイス・プレジデントであり、ガルフ・オイルがフォード・レーシングのスポンサーとなることを
決めた人です。すなわち、この人がシャシー#1075のガルフカラーのGT40を作ったとも言えるわけで、#1075とは縁があるクルマということになります。
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おまけに、この#1049はロード・ゴーイングでもあるそうなので、公道を走らせるレプリカにも丁度良い。
誰でも知っているわけではないけれど、有名な#1075とのつながりを語れるエピソードがあるロード・ゴーイングのGT40 Mk1ということで、レプリカを作るには面白いかと思いました。
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まったく無名なクルマではなく、実はそこそこ有名ではあるので、資料は探せば豊富に見つかります。あまりにもレア過ぎると資料集めが大変だし、何より誰にもわかってもらえないので、この辺が楽しむには良いのではないかと思います。
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リアタイヤの後ろにある大きなサイドマーカーが特徴だと書きましたが、あれは左側にしかありません。デイトナは左回りのコースなので、ピットから識別するために左側に付けているのだそうです。右側のその場所には馬の蹄鉄のマークが描かれています。これは、ガルフ・オイルの「ラッキー・ホース・シュー」と言うものだそうです。
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そういう事を調べながら、実車に近づけていく作業が楽しいと思います。