[C3] キャブレター オーバーホール その3

[C3] キャブレター オーバーホール その1
[C3] キャブレター オーバーホール その2

プライマリー(中央のキャブレター)もオーバーホールして、これで3基のキャブレターのオーバーホールが完了しました。
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洗浄した部品。
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プライマリーはアイドリングと低負荷領域(スロー系)を受け持つので、セカンダリーより少し複雑で部品点数も多いです。セカンダリーには付いていないメーターリング・ブロックが付いています。セカンダリーは、ただドハドバガソリンを送り込むだけなので、メーターリング・プレートというただの穴が開いた板で燃料の量を調整していましたが、スロー系は繊細な調量が必要なので、メーターリングブロックにジェットが付いています。

これがHolleyのジェット。動く部品ではないので、オーバーホールで交換する必要はありません。
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もう一つ、SOLEXやWEBERと違うのが、このPower Valve。マニホールドのバキューム圧によって、送り込む燃料の量を調節する部品です。中身はダイアフラム。これは動く部品なので、オーバーホールの時に交換します。
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Holleyのキャブレターは、このPower Valveのおかげで、キャブレターをポン付けするだけで、そこそこ走ります。SOLEXやWEBERのように細かくジェットを変える必要なし。
もっとも、何事も極めるのが大好きなアメリカですから、長い歴史を持つHolleyキャブレターは、改造パーツや改造方法もいろいろと出回っていて、拘りたい人はとことん拘る事も出来ます。
また、キャブレター本体は今でも新品で購入することができるし、新型のキャブレターが出ることもあります。アメリカのクルマ趣味の市場規模の大きさには驚きます。

これはアイドルミクスチャー調整用のニードルバルブ。これも、オーバーホールで交換です。
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そして加速ポンプ。なにしろ排気量7Lなので、加速ポンプも容量が大きいです。これで、ドバドバガソリンを送り込みます。
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ちなみに、加速ポンプを二つ持っているキャブレターもあって、それはDouble Pumperと呼ばれます。さらに、ドバドバ送り込むわけですね。加速ポンプはペダルを軽く踏み込んだときでも動作していて、これがアメリカ車の燃費を悪くしているのですが、排気量が大きいからガンガン送り込んでいないと、すぐに息つきしてしまいます。

あと、キャブレータのオーバーホールの注意点として、ガスケットを剥がすのに金属製のスクレーパーやカミソリの刃を使うのは厳禁です。ボディが柔らかいアルミで出来ているので、簡単に傷が入ったり削れてしまいます。
ガスケットはケミカル剤を使いましょう。お薦めはこれ。
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高いですが、効果抜群です。ただし、皮膚に触れると痛いので、長袖、長ズボンにゴーグル必須です。ニトリルゴムのグローブは溶けるので注意。
スクレーパーはプラスチック製。ブラシもナイロン製を使いましょう。とにかく、簡単に傷がつくので注意です。オイルストーンも軽くなでる程度で。

次は、エンジン側を清掃して、キャブレターを搭載します。しかし、ガレージが暑くて、なかなか作業が進みません。ガレージにエアコン入れようかなぁ。
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