中国の図書館

世界最先端都市として知られる深セン市の図書館。
会社の帰りに食事に寄ったショッピングモールの近くにあると言うので、興味本位で寄ってみました。

さすが、深センの図書館。建物のデザインが凝っています。
深セン市には、高層ビルが林立していますが、それらのビルのデザインは奇抜さを競っているようで、普通の四角いビルはほとんどありません。深センで新しく建てるビルは奇抜なデザインでないとダメという、デザイナーの強迫観念があるようにも見えます。
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中に入る前に手荷物はX線検査機を通さなければなりません。中国では地下鉄に乗る時などもX線検査機を通すので、これは普通のことです。日本では電車の中で刃物を持った人が暴れたりしていますが、中国では必ず手荷物検査をしているので、その点では日本より安心できます。完全な対策ではないですが、X線検査があるから持ちこむのは難しいと知られているだけでも抑止力があるでしょう。朝夕の通勤ラッシュ時でも、全員検査です。
とは言え、私はタクシー通勤なので、知識として知っているだけです。

そして、エントランスの光景。
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私の個人的な印象ですが、中国では本はインテリアとしても扱かわれていて、この図書館もそういう傾向が強く感じられます。もちろん、図書館本来の役割もちゃんと果たしているのだと思いますが、この写真のような本棚も多いです。1階の壁際は全部こんな感じで、あまり実用的ではないです。並んでいる本を良くみると、分類されずにノンジャンルで並べられていました。
たくさんの若い女性が、この本だなをバックにポーズして写真を撮っていました。日本の図書館では見られない光景です。書架によっては、きちんと分類されているところもあったので、これは映える写真を撮るためのものかもしれません。
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中国のちょっと高級なホテルでは、大抵ロビーに大きな本棚があって、そこにしっかりした装丁の本が並べられていることが多いです。インテリア扱いです。
中国人によると、本は装丁が重要だそうです。日本のように文庫本やムック本は、ほとんど見かけません。情報としての本はデジタルデータとして入手して、紙の本は富や知識の象徴として扱われているのでしょう。

私のいる会社にもこんな立派な図書館があります。しかし完全にインテリアとしての役割であり、財力を見せびらかすためにある感じですね。ここにいる人たちは、写真を撮ったり眺めたりしているだけです。ここで、実際に調べ物をしている人はいないと思います。
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書架に近づいて眺めていると、時々、日本の本も見つかります。それらから推測するに、まったく分類されておらず、ただ並べてあるだけだと思います。
所々にガラスケースに収められた立派な本が展示されています。おそらく何か価値のある貴重な本なのでしょう。中国語なので、内容はさっぱりわかりませんが。
中国では、本に対する姿勢が日本とは少し違うなと感じました。
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