550 Spyder クランクケース交換 19

今日からヘッド周りに手を付けました。

まずは、バルブ・ラッピング。
これは、音楽を聴きながら音楽に合わせてやると、ノリノリで作業が進みます。
カンカンカカンカン きゃりーぴみゅぱみゅ♪
みたいな感じですね。
ああ、バルプラッピングというのは、パルプシートの当たり出しなんですが、バルブをシートに叩きつけるようにやるのですよ。その時にカンカンという金属を叩いた音がするのです。
バルブラッピングなので、本当はラップ音楽がいいのかもしれません。なんてね。
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まあ、一応パルプ・ラッピングはしますが、本当のところは、このヘッドはもうダメです。
バルブの座り確認は、光明丹を使う方法もありますが、お勧めはソルベント法という手法。バルブスプリングをつけて、ポート側からパーツクリーナーを流し込んでみます。パーツクリーナーが燃焼室側に染みてこなければOK。染み出てくる場合は、座りが不十分ということで、再度ラッピング作業をします。
染み出てくる程度なら、ラッピングで座りが出ますが、ダラダラと流れ出てくる場合は、シートカットする必要があります。
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このヘッドの場合、3番のEXバルブの当たりが出ません。バルブシートに虫食いが見られるので、本来ならシートリングを交換して、3段カットにしてみたりするのでしょうが、今回は予算と時間の都合で見送ります。VWエンジンの場合、シートリングを交換してシートカットまでするなら、新品のバルブ付きのセットを買ってしまうほうが安いく早くて確実。しかし、中古のクランクケースを使う予定が、新品を購入せざるを得なかったので予想外の時間と出費があったためです。
レースエンジンとかなら、当たりが出るまでラッピングを頑張ってみても良いのですが、ただの街乗り用なので、まあ問題ないです。でも、次にエンジンをバラしたときは新品ヘッドにすべきでしょうね。大体やられちゃっているのは、EX側てす。
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というわけで、1番と3番のEXバルブに当たりが出そうにないので、あきらめてそのまま組みます。こういう緩さがないと古いクルマはいつまで経っても仕上がらないという状況になりがちです。
そして、左右のヘッドはインストール準備ができました。
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次はピストンの組み立て。

ピストンリングは新品にしたので合口のギャップを測定。すべて30μm~45μmで、もちろん問題なし。
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ピストンリングを組み込んで、リストピンの直上までシリンダーに挿入しておきます。
VWエンジンの場合、シリンダーをクランクケースに取り付ける手順は2通りあって、一つはピストンを先にコンロッドに取り付けてからシリンダーを被せる方法と、もう一つはピストンを先にシリンダーに入れてから、コンロッドに取り付ける方法。後者の方がピストンをシリンダーに入れる作業が楽そうだったので、そちらを選びました。
ピストンリングコンプレッサーが、アストロで買った安物だったせいか、ピストンをシリンダーに入れるのに少し苦労しました。
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ちなみに、アストロで買ったピストンリング・コンプレッサーはこれ。お勧めしません。使いにくいです。
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ピストンも4つ組み上げました。明日は、いよいよロングブロック完成の予定。
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今回は4気筒8バルブのエンジンですが、それでもバルブ8本のラッピングやピストン4個にの合計12本のピストンリングを入れるのは面倒でした。これが12気筒48バルブだったりすると、気が遠くなりそうです。12気筒は憧れですが、自分でいじる事を考えると萎えてしまいますね。