2023 K4-GP 富士10時間耐久

2008年から毎年参加しているK4-GP 富士10時間耐久レース。これまでに準備風景を記事にしていましたが、この記事はその本番。すべては、この日のために。

レース本番は8/15(火)ですが、8/14(月)に練習走行と車検があります。練習走行は朝9:00から。走行前準備などを考えると、その2時間前には富士スピードウェイ入りをする必要があります。そのため、出発は朝の4時半。
出発前日の8/13(日)に、積車を借りてきてクルマを積んでおきます。
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朝日を浴びながら、積車運転中の図。
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積車はレンタカーですが、この積車ははずれでした。走行距離は3万キロと短いのに、まっすぐ走らず、ステアリングの遊びも超大きい。サーキットに着く前に、すでに疲れてしまいました。ニッポンレンタカー、整備はちゃんとやっておいてください。

出場台数が多いのでピットは複数チームでシェアします。カプチーノと並びました。ここだけバブル期に戻ったみたいです。この頃の日本車はユニークなクルマも多くて、勢いがありました。日本車の黄金期ですね。
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お隣のピットにはポルシェ935。たぶんカプチーノベース。これも懐かしいですね。70年代のグループ5を席巻したクルマ。スーパーカー世代なら誰もが知っているレーシングカー。
K4-GPは、あらゆる世代のオッサンホイホイです。
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ちなみに、こっちは本物の935(出典: Wikipedia)。
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練習走行は、うちのチームにおいては「練習」ではなくてクルマの調子を確認するのが目的です。なにしろ、このクルマは、ここでしか走りません。1年のうちにたった2日、富士スピードウェイを走るためだけのクルマなのです。これまでにいろいろ整備していますが、試走はこのときしか出来ません。
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K4-GPのスタートは今では滅多に見られない変則ルマン方式。そして、もっとも特徴的なのは、スターターはサーキットにふさわしくない仮装をする、というルールが存在していることです。
さらに、この仮装は審査されて、優秀な仮装には仮装賞が贈られます。K4-GP運営の公式見解では、この仮装賞こそがK4-GPの真の勝利者ということになっています。そしてうちのチームは2018年に仮装賞を受賞しています。
今年の仮装はこれ。有名なコメディアンか何かの仮装らしいのですが、残念ながらTVをほとんど見ないので、何の仮想なのか、私のはわからず。でも、周囲の人からだいぶ声をかけられていたので、多分、良い出来なのだと思います。
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今年のスタートドライバーは私です。実は、10数年参加してきてスタートドライバーをやるのは初めてです。チームリーダーでもあるので、レース前ブリーフィングに出る必要があって、これまでスタートドライバーを務めることができませんでした。今年は、チーフメカニックが代わりにブリーフィングに出席してくれることになったので、初スタートドライバーです。

変則ルマン式スタート

同 車載カメラ映像

このあとイエローフラッグのまま2列縦隊でSafety Carに2周ほど先導されたあと、グリーンフラッグが出て、レーススタートとなります。なにしろ、コース上には130台のクルマが出ているので、スタート時の混乱を避けるため、昔からK4-GPはこのようなスタート方式をとっています。

今年は10時間を6人で走るので、一人あたり100分間の走行となります。体力を考慮して2回に分ける人と、1回で走りきる人がいますが、私は100分を1回にしました。
お約束なんですが、私はいつも最低1回はスピンしてしまいます。事故につながるので、できれば避けたいのですが・・・ 車載カメラでは、スピンのあとに動揺してシフトミスしています。

自分の走行が終われば、あとはピットで監督業です。うちのチームはIT化が進んでいるので、ピットで車両の情報を得たり、ドライバーにメッセージを送ることができます。初期の頃は、ピットレーンに出てサインボードを出したり、ラップタイムをストップウォッチで計測して調子を見たりしていました。しかし、だんだん参加人数が減ってしまい、手伝ってくれる人もいなくなったのでIT化が必要となりました。
昔はかなり綿密に作戦を立てていたのですが、いくら綿密な作戦をたてても様々なアクシデントでその通りに実行できたことはなく。最近では、わりと行き当たりばったりな感じなので、あまりやることもありません。モニターを眺めて、たまにドライバーに給油やピットインの指示を送るくらいです。
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台風7号は当初の予想よりかなり西にずれてくれましたが、天候は依然として不安定で、雨が降ったりやんだりです。スタート時はレインタイヤを履いていましたが、お昼くらいにはドライコンディションになったので、ドライタイヤに交換。しかし、その後、また雨。
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レインタイヤに履き替えるチームもあるなかで、うちのチームはドライタイヤのままゴールまで走ることにしました。タイヤ交換には、結構時間がかかるのです。NASCARみたいな超絶スピードでタイヤ交換できるなら、交換してしまうのですが。

途中、軽く接触されて左のヘッドライトを失うなど、些細なトラブルはありましたが、おおきな事故もなく無事に10時間を走り切ってチェッカーフラッグを受けました。

順位はクラス19位。総合はレース終了時の暫定で93位でした。安定の下の上のポジションです。
GP-2Fというクラス(新規格軽のNA)が新設されたのでGP-2クラス(旧規格軽のNA)はトゥデイとビートしかいません。ビートはスポーツカーの見た目ですが性能はトゥデイよりも圧倒的に劣るので、トゥデイにはどうしても勝てません。なので、ビートの中でビリにはならないようにしようというかなり消極的な目標でしたが、一応達成できたことになります。
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今年も無事にK4-GPを走りきりました。来年も、もちろん出ます。
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