2011年6月14日

三菱エクリプス・スパイダー

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再び、アメリカに来ています。
今回の相棒はコレ。これも、クルマを見ただけで車名が言えたら、かなりのアメリカ車通。いや、日本車通と言うべきでしょうか。

Mitsubishi Eclipse Spider

アメリカでは日本車として認識されていますが、皆さんご存知の通り、日本では売っていません。90年代までは日本でも左ハンドルのまま売っているという珍しことをしていました。当時は左ハンドルにもかからわず、そこそこ人気があったと思いますが、若者がこういうクルマを好まなくなったからか、今は販売していません。しかし、三菱は作り続けていたのです。

私はアメリカに来たら、レンタカーは日本では乗れないものを、と考えています。大抵はアメリカ車を借りるのですが、今回は日本車。でも正確にはアメリカ生産のれっきとしたアメリカ車です。
アメリカ人は、このクルマが日本では販売されていないことを知りません。

 

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スタイリングは好みの問題ですが、私は嫌いではないです。カッコいいとは素直に言えない感じですが、オリジナリティがあると思います。
寸法を調べてみると
全長:4.58m
全幅:1.83m
車重:1,600Kg
でした。例によってアメリカでは大きさを感じませんが、日本ではこの手のクルマにしては大柄な方になるでしょう。しかし、フェンダーが膨らませてあってグラマラスな感じで、寸法に捉われずに自由にデザインしたな、という印象があります。やはり、日本車の小型車枠(5ナンバー枠)は、デザインのバランス的には少し小さすぎますね。

価格は内装や乗り心から受ける印象よりは高くてベースが$28,000から。日本円にして250万円くらいです。
ホイールはこれでノーマルです。まるでアフターマーケットパーツのようです。

 

 

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一応4座ですが、リアシートは緊急用です。荷物置き場としてしか使えません。中央にサブウーハーがむき出しに設置されているところで、若者層をターゲットにしていることがはっきりとわかります。日本ではこの手のクルマを買うのはオジサン層になりましたが、アメリカでは若者をターゲットにしても成り立つのでしょうか?

幌は電動ですが、乗りなれているZ4と比べると開閉に少し時間がかかります。また、フロントのロックを手動で外さなければならないのも、ちょっと残念です。

 

 

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内装はレンタカー仕様なのかどうかわかりませんが、かなり安っぽいです。100万円台半ばのクルマの印象です。ちょっとこの内装に250万円を出す気にはなりません。
最近のレンタカーは皆サテライト・ラジオが標準です。昔住んでいた時に聞きなれたローカルFM局が聞けないのは残念です。いや、聞けるのだと思いますが、ローカルFMへの切り替え方法がわかりません。説明書を読めばいいのですが、レンタカーなのに説明書を読むのはちょっと悔しい感じがするので、ローカルFM局はあきらめました。
前回借りたクルマはiPodが繋げられるようになっていたのですが、このEclipseは繋げられませんでした。やはり、前回のはラグジャリークラスという事で装備がだいぶ違います。

 

 

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計器盤まわりのデザインや素材もかなりオモチャっぽくて興ざめですが、販売ターゲットが若者、それも10代後半から20代前半ならばこれでもいいのかもしれません。免許を取ったばかりのころは、エンジンで走れば何でも楽しかったものです。それが歳をとるにつれていろんな経験をして、良い物、悪い物を見分けるようになってくると、デザインが安っぽいだの、素材の品質が悪いだのと面倒なことを言い出すわけです。
きっと、「この内装は安っぽくてちょっとなぁ。」と思ったら、もう若くないということでしょう。

さて、肝心の走りの方ですが、これもまあ外観から想像するのは違い、興醒めです。
まず、エンジンがダメ。走りだす前に、エンジンをかけた瞬間に「えっ?」と思いました。2.4L4気筒160馬力のMIVECエンジンですが、エンジンの音とか振動とか、走り始めの感じとか、マーチとかヴィッツとかといったあの手のクルマのエンジンの感じです。
おまけに、発進時にピョンと飛び出す感じもあの手のエコノミーカーと同じ。もっともこれは、トルクコンバータの設定なのかもしれませんが。おかげで、運転している感じがヴィッツを運転しているみたいです。

車体剛性は、今時のオープンカーとしては標準的。特に剛性感があるわけではありませんが、不満のないレベル。
足回りは・・・ うーん、これもなんだか安っぽい。そこそこ固めの設定でスポーティと言えるのかもしれませんが、そのわりにロールも大きくて、このまま山坂道をハイスピードで走るのはちょっと辛いかもしれません。なんか固さばかりが先行している感じですね。
ブレーキは例によって・・・ この手のクルマにありがちな、普通に走るにはよく止まりますが、命を預けられるほどの信頼感はありません。まあ、普通の実用車のブレーキということです。

というわけで、総論として、
「見た目と値段の割には安っぽい」
というのが、私のインプレッションです。せっかく気合の入ったデザインなのに、中身が・・・
先にも書いたように、若年層向けということで割り切っているのでしょう。日本では、この手のクルマを買う層は、多少なりとも余裕のある年齢層になってしまったので、たとえばユーノス・ロードスターと言えども、そこそこの質感を持っているのですが、アメリカでは、まだ若年層がこういうクルマを買う市場があるのでしょう。わりと街中で見かけます。

ちょっと辛口になってしまいましたが、日本で乗っている人はまずいないでしょうから、これを読んで気を悪くする人もいないでしょう。

それにしても、あのエンジンはなんとかした方が・・・実用車じゃないんだから、もう少し色気のあるエンジンにしないと。

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