2011年12月12日

週末インプレ 2012 Camaro SS その1

今回のアメリカ滞在では、週末のイベントが何も見つからず、コイツを乗り回すぐらいしかやることがありません。
というわけで、恒例のインプレッションをいきなり始めます。
111211-1
コンパクト・カメラしか持ってきていないのですが、カタログのような写真が撮れました。後ろに見えるのはPigeon Point Lighhouse。1871年に建てられた古い灯台で、今も現役です。カリフォルニアの海岸線を走るCA-1の見どころの一つとなっています。

外観は前回借りたクーペとほとんど違いはありません。フロントグリルの上に、スリット状に開いたエアインテークが追加されているくらいです。SSのバッチも付いていますが、小さいのでわかりません。レーシング・ストライプやスポイラーなどの追加もなく、Hertzのアドレナリン・コレクションの中では最も地味な外観で少々がっかり。
111211-2リアスタイルもアッサリしていて、あまり演出がありません。スッキリしていて良いという評価をする人もいるでしょうが、私としてはこの手のクルマは派手な演出が欲しいと思います。特にリアスタイルというのは、後ろのクルマのドライバーが良く見るので、実は正面よりもじっくりと見られることになります。オオッ、カッコーいいー、と思わせてくれるようなスタイルが欲しかったですね。
黄色というのも、スポーツカーの定番色ではありますが、あまり似合っているようには思いません。Camaroには濃い色が似合うと思います。街中で見かける黒のCamaroはカッコいいですよ。
エンジン音は演出不足。低回転ではスムーズな回転音でアメリカンV8らしい鼓動感に欠けます。街乗りスピードでは排気音もあまり聞こえません。ノイズが抑えられているというのは本来なら良いモノだと言えますが、キャラクター的には物足りません。
スロットル・コントローラのセッティングによるものだと思いますが、意外とスロットル・ペダルを踏み込まないと、速く走ってくれないです。ちょっと踏んだだけでグワッと発進してしまう他の2台と違って、こちらの方が安全ですが、同様にキャラクター的に物足りない気がします。これならV6モデルとあまり変わらなかなぁ、と思ってしまいました。もちろんフリーウェイの追い越し加速などは、断然優れているのですが、普通に走っている時のトルク感は物足りなさを感じてしまいます。しかし、逆に安全で乗りやすいともいえます。たとえば、これまでシビックのような排気量の小さいクルマに乗っていた若者が、これに乗り換えても事故を起こす可能性は低のではないかと思います。

 

111211-3
いつもの山道も、もちろん走ってます。ハンドリングや足回りは、こういう道を走るのに全然問題ありません。というか、たぶんかなり速いです。
Camaro SSは2010年モデルがニュルブルクリンクで8分20秒を記録しているそうで、wikipediaでこの前後のタイムのクルマを見ると、たとえばロータス・エキシージとかM3とかケイマンSとかがいて、それなりに速いクルマであることがわかります。
ただし、やっぱりここでもスロットル・ペダルの踏込量は多めです。
「本当に400馬力あるのかな、コイツ。」
と思って、グイっと踏むとグワッときて、トラクション・コントロールが動作するので、
「ああ、ちゃんとあったか。」
と確認できます。ジワっと踏むだけで、ドパーッと加速するアメリカ車フレーバーが山道でもちょっと不足です。
トランスミッションは、6速ATで、パドルシフトは付いていますが、普通のトルクコンバータです。本当はMTに乗りたいのですが、レンタカーにはラインナップがありません。残念です。ATは、ギア比は変えてあるのでしょうが、多分この前乗ったクーペと同じものだと思います。パドルでパコパコとギアを変える必要性を感じません。エンジン音が静かだし、フラットトルクなので、マニュアルモードにしていると、ギアチェンジを忘れます。
素晴らしく良かったのはブレーキ。これまで借りたどのクルマよりも良かったです。ブレーキも好みの問題ですが、私は剛性感が高く、ストロークが短くて踏力の必要なタイプが好きです。私のコルベットZ06やスピダーもまさしくそういう感じなのですが、このCamaroもそうでした。SSとクーペで一番違うのは、ブレーキのタッチだと言ってもいいでしょう。
踏力が必要なタイプは、人によっては効かないという評価になってしまいます。セダンやファミリーカーだったら、その評価で間違っていないのですが、スポーツカーの場合は、信頼感ということを加味すると固くて力のいるブレーキペダルの方が安心して踏める気がします。

そして、このブレーキなんですが、キャリパーにブレンボのロゴが入ってました。
111211-4
ちょっとブランドに走りすぎた感は正直あります。最近だったら、StopTechなどの新興メーカを採用する方が、新世代感があってCamaroのキャラクターに似合うと思います。
でも、このキャリパーのおかげで、あのブレーキタッチが得られているのですから、これはこれで正解です。コルベット・エンジンは、このクルマのキャラクターに合わない感じでちょっとガッカリでしたが、このブレーキのためにSSを選んでもいいと思います。これ、オプションかどうかは調べていないのですが、絶対に選んでください。エンジンはV6でも、まあそこそこ走りますが、ブレーキだけは絶対にこれがいいです。
Bremboのwebサイトを調べたら、ちゃんとCamaro SSの事が解説されていました。

クルマの出来はとても良いです。ただし、他の2台と比べると、アメリカン・フレーバーが足りません。こういうのを
「キャラが立っていない」
と言うのでしょうか。外観から期待するほど、良い意味でのアメ車感が希薄です。その分、とっつきやすいとも言えるのですが。うーん、どうなんだろう。今風の言い方だと「微妙?」
でも、ブレーキは最高。
(続く)

trackbacks

trackbackURL:

Search


Recent Entries

  1. さよならスピダー
  2. Corvette Stingray Z06の重量と価格
  3. 大室公園ミーティング
  4. Spider Last Run (May be)
  5. M.M.O.7
  6. 今年のK4-GPは
  7. 今年も出ます! K4-GP FUJI1000km
  8. とても解りにくいBMW Z4の操作説明書
  9. C7 Corvette Stingray ★★★★☆: By Jeremy
  10. 自動車メーカの度胸