今週、アメリカ時間の水曜日からダラスでMecumのオークションが開催されています。Mecumオークションは、コレクターカーのオークションですが、何千万円もするよう超高級車てはなく、数百万円程度のクルマが中心で、普通のクルマ好きサラリーマンでも手が出せる範囲です。

Mecum auctionのサイト

どんな価格で落札されているか、ちょっと紹介しましょう。webサイトにアクセスしても落札価格は会員にならないと見れません。会員登録は無料で、アメリカの住所があれば誰でもできます。
ちなみに、コルベットの出品台数は、以下のようになっています。
C1 35台
C2 52台
C3 50台
C4 14台
C5  5台
C6  6台

価格は、わかりやすいように$1=80円で換算しました。

73年式クーペ L82 4速MT 15,707mile 184万円
NCRSのTop Flightです。NCRSはNational Corvette Restores Societyで、全米コルベット・レストア協会とでも約せばいいでしょうか。GM公認の権威ある協会で、会員数は16,000名。1953年から1996年式までのコルベットの鑑定をしています。Top Flightは、その鑑定のなかでほぼ最上位と考えてかまいません。
73年式はフロントが樹脂バンパー、リアかクロームバンパーの異色モデル。前後クロームバンパーだった72年式にくらべると安いです。

78年式ペースカーエディション L82 AT 150mile 184万円
ほとんど未走行のペースカーエディション。オリジナル・コンディションでこの価格です。

60年式 コンバーチブル 283エンジン AT 28,040mile 360万円
ほぼオリジナルコンディションですが、リペイントされています。古いコルベットは、リペイントされていると価値が下がります。

67年式コンバーチブル 427エンジン 4MT 21,780mile 1,104万円
Bloomington Gold, NCRS Top Flight, Chevy Vettefest Gold spinnerと3つの有名な賞を取っている三冠王のため、この価格です。コルベットにとって、賞を取っていることは価格を維持するために重要です。

54年式ロードスター Blue Flameエンジン AT 41,453mile 464万円
フレームオフのレストアを行っているので、この価格。未レストアでコンディションの良い個体は、こんなに安くは買えません。コルベットは未レストアの個体の方が高いのです。

ちょっとコルベット以外も見てみましょう。
70年式GTOコンバーチブル 455HOエンジン AT 364万円
70年に241台だけ生産されたコンバーチブルの1台。今年レストアされています。

70年式トランザム Ram Air IIIエンジン 4MT 416万円
フレームオフのフルレストア済み。 私は昔、年式違いのトランザムに乗っていたことがあって、Ram Air IIIエンジンを千葉の解体屋で発見。価値を知らない解体屋だったので格安で購入してエンジンを載せ換えました。だからこのエンジンには思い入れがあります。

73年式AMC AMX 360エンジン 120万円
マッスルカーのダウンサイジングをやって、伝説的な存在となったのが、このAMXとJavelin。日本ではまず見たことがありませんが、アメリでは今でも大人気です。

今回の出品車のなかで、
「ムムム、これは入札してみたいなぁ。」
と思ったのがこれ。
70年式エルカミーノSS 496エンジン AT 入札受付中176万円より
496のNAエンジンで700馬力。ストール回転数3000rpmのトルコンを入れているので、かなりピーキーな性格だと思われます。スーパーチャージャーだったら運転できそうだけどNAでこの馬力だと街乗りできないかもしれません。でも、これを通勤車にするのが酔狂で良いかと。

どう思いましたか？
意外と安いでしょ？ 私がいつも、「アメリカは趣味車天国」と言っている理由の一つはこれ。このくらいの値段で、こういうクルマが楽しめるのです。
ちなみに、このくらいの年式だと排ガス規制以前なので日本での登録も楽だと思われます。しかも、新車扱いで3年車検となります。アメリカ車のこの手のクルマが欲しければ、アメリカのコレクターカーのオークションで買うのが一番。往復の飛行機代と車両の搬送・登録代を含めても、アメリカで買うほうが断然安いと思いますよ。