2015年2月 7日

クランクケース交換08

すべての部品が取り外されたクランクケースを観察してみると、1番シリンダーの取り付け部周辺ににクラックが入っているのが見えました。このクランクケースは94mm径のピストンが入るように加工されているので、この部分はノーマルより薄くなっています。そこにノーマルよりもパワーも回転数も高くなった爆発力が伝わっているので、まあ、割れるのも当然かと。何しろ50年も昔に製造されたマグネシウム合金製です。アルミ合金に比べると耐腐食性は大幅に劣るので、材料劣化も進んでいたのでしょう。アルミ合金と比較すると軽いので質量比剛性や質量比強度は優れていますが、絶対的な剛性や強度には劣りますし、なによりも耐腐食性も低いので、チューニング・エンジンには不向きかと思います。
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ヘッドの洗浄をしようと思ってバルブを外そうとしたのですが、手持ちのバルブスプリング・コンプレッサーがうまく合わなくて、外せませんでした。専用のコンプレッサーを買うことも考えますが、面倒になってきたので、VWの専門店に持って行って洗浄どバルブ・ラッピングをしてもらおうかと思います。明日、電話で聞いてみよう。
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一応、ネジ部だけはタップとダイスでさらっておきました。
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ピストンの方は、ピストンリングを外しました。ピストンリングは再使用せず新品を注文済みです。再使用も考えたのですが、わずかに吹き抜けている跡が見られたので交換することにしました。
しかし、リング溝は綺麗でしたし、オイルリングからピストン内に吹き抜けている跡もなかったので、たいしたことはなさそうです。
ピストンはMAHLE製。見た目の形状に反して、意外と軽いです。裏を見ると、重量合わせをした跡がありました。写真右上はまったく削られていないもの。おそらくこれが一番軽くて、他のピストンはこれに合わせたのだと思います。写真左下のピストンは、裏に加工痕があるので。
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クランクにはVWのマーク付いているのでVW純正品だと思います。フルカウンター・クランクです。しかし私の持っている本ではVW純正のクランクはフルカウンターではないようです。
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ところどころに大きく削った跡があるので、仔細に観察してみました。おそらく、これは純正のクランクに溶接でカウンタ・ウェイトを追加したフルカウンターに加工したクランクです。
カウンタ・ウェイトに溶接跡がありました。フルカウンター加工ってあるんですね。こういうのは初めて見ました。ネットで検索してみると、空冷VWエンジンの世界ではわりと普通に入手できるようです。
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